目線

人間のモデルさんの撮影では目線をもらうと、ぐっと写真が力強くなります。
人間同士のアイコンタクトは、感情に作用する効果があり、お互いにメッセージを発しています。
「私は、あなたに感心がある」
というような意味でしょうか。


しかし、時には「ガンをつける」という言葉があるように、その感心は歓迎されないこともあります。


サルの世界では、目を見るのは、まさに脅しであり、失礼極まりない行動です。
で、礼儀を知っている上高地のサルたちは、無礼にもサルを見つめて携帯を構える観光客の「こっちむいてえ〜」という大声にも反応せず、滅多に人間を見ません。


たまに、ちらっと顔をあげますが、大体は別のサルの動向を確かめています。
その瞬間を捕らえた写真は、確かに「目線」が入って、あっち向いている写真より訴えるモノがありますが、でもこれってサルには意味のない写真ですよね。
目線のある写真を良い写真と思うのは、受け取る人間だけの価値観の問題かもしれません。

いつかは目線のない、良い写真を撮りたいものです。