プリウス問題に関する個人的考察

プリウス問題

h ttp://www.youtube.com/watch?v=4VV6_GE9Mlc

騒がしいですね。

毎日新聞の記事によると、ABSが作動する前に通常の車よりプリウスは0.06秒遅いのが不安感をあおるので、リコールするのだと言います。
笑止です。
私も含め、多くの方が、ディーラーでチェックし、ブレーキ抜け体験時にABSが作動していないことを確認しています。
今日も、ディーラーで、「フルブレーキング時に70cm余計に距離が必要です」と説明を受けましたが、フルブレーキング時にブレーキ抜けを経験した人はほとんどいません。こんな説明は笑うしかありません。

ユーザー間の推測の方が、はるかに説得力があります。
プリウスには2種類のブレーキがあります。
一つは普通のブレーキ。折角、二酸化炭素を撒き散らして獲得した運動エネルギーを全部熱に変えて撒き散らす、前世紀の静止方法です。
もう一つが回生ブレーキ。原理はモーターの反対です、モーターは電気で軸を回転しますが、回生ブレーキは軸を回転するエネルギーで発電し、軸の回転を減速するものです。今では地下鉄千代田線を始め、電車ではよく使われています。プリウスが燃費が良いのは、信号や渋滞での停止、坂道の下りで回生モーターでエネルギーを回収するからです。

ブレーキをかけるとき、ホンダのインサイトなど、ガソリン車にモーターアシストを付けるタイプの車では、回生ブレーキーが強力ではないので、通常ブレーキと併用します。
だから、今までのブレーキのフィーリングそのものですが、エネルギーの回収は大きくありません。
一方、プリウスは強力な回生ブレーキはそれだけでかなり速度を落とすことができます。そのため、ブレーキの踏みはじめは回生ブレーキだけを使います。そして、ある段階で通常のブレーキに切り替えます。これが実にうまくいっていて、そのためにプリウスの世界最高燃費がたたき出されました。

しかし、凍結路、あるいは、金属、穴ぼこなどスリップしやすい状況でタイヤがロックすると、回生ブレーキがはすれ、同時にトラクションコントロール(TRC)が働き、スリップして停止したタイヤをモーターで無理矢理動かします。

これがブレーキ抜きの実態ではないかとユーザー間では言われています。

ABS説では、ブレーキが効かないだけでなく、速度が上がることが説明できません。また、ABSが働いていないのに、ブレーキ抜けが発生することも説明できません。
TRC説はこの二つをきちんと説明できます。

公式の説明がなんであれ、ソフト書き換え後に苦情がないことを見れば、技術陣は全ての問題点を把握し、それをクリアするソフトを作ったと言えます。
ただし、最適な制御方法を見つけたとは思えないので、効率は無視した可能性があります。
つまり、燃費が悪くなる可能性があります。

考えてみれば、電気自動車はすべて回生ブレーキが中心になります。回生ブレーキをどれだけ使いこなせるかが、21世紀の自動車の条件と言えるでしょう。電気自動車、ハイブリッドカーを作っているメーカーは、みな息をのんでいると言えるでしょう。効率を重視すれば、プリウスと同じ罠に落ちます。避けようとすれば、エネルギー効率が落ちます。

プリウスのブレーキ問題はまさしく新時代を切り開く産みの苦しみなのです。
アメリカのブレーキペダル問題とは全然次元の違う話です。

今回の問題はプログラムミスと思っている方もいるようですが、全然違うということです。


私は、今日、プログラムを書き換えてきました。
ブレーキがより強くかかるようになった印象です。
従来のブレーキがよりおおくかかるようになったのかもしれません。