醜いアヒルの子

君の茶色い羽根。
この地で、暮らした証だね。
人に餌をもらうことを良しとせず、自分で餌を探した確かな勲章。
白いだけが尊いのではないことを教えてくれる。
そう、僕も白くない。
泥まみれに生きている。
君はまだ幼鳥だけど、再び白い羽根で帰っておいで。
故郷のシベリアのお花畑で恋をして。
僕も来年は少し白くなりたい。
春。
君が帰る日。