千石先生記念講演

RANA_sp2009-04-19

本日は、どうぶつ奇想天外わくわく動物ランドの千石先生の還暦記念講演を聴いてきました。
先生の爬虫両生類仲間、飼育仲間等が集まり、記念講演となりましたが、一般公開ではないので、100人ほどの丁度良い人数でした。
千石先生は、私の古い友人であり、爬虫類仲間です。
で、今日は当然爬虫類の話になるとおもいきや、なんと、牛と人の関わりを話されました。

ミノタウロス
ご存じの通り、ギリシャ神話に出てくる、半牛半人の怪物です。

初めは世界各地の牛。牛と行っても偶蹄目の話し、
全種の写真を撮ったのではないかと思うほど、大量の種を一つ一つ解説していくのですが、正直、眠くなりました。
これで、とりあえず、牛の世界の広がりを説明。
同時に、牛の胃の進化を話し、牛が微生物の力を借りてセルロースを効率よく分解すること、それによって、偶蹄類のヌーとシマウマなど奇蹄類と食べ物の食い分けが進んでいる話など生態系の話し。

ま、この辺は並の動物学者でも話すことです。
タレントでは無理ですが。

これからが真骨頂。

牛乳を飲むのは非常にエネルギー効率がいい。
殺す必要がないので、ベジタリアンも牛乳を飲む習慣の人種に多い。
しかし、牛乳を分解する酵素がないと下痢をする。
アジア人はあまり持っていないが、コーカソイドはもっている。
ヨーロッパから、インド、北アフリカ、東アフリカまでコーカソイドが牛と共に暮らしている。
特に北欧は、作物が育たないので、畜産に頼っており、分解酵素を多く持っている。

牛由来の病気もある。
天然痘はウシの病気が人に寄主転換したと考えられる。
牛飼いに天然痘の人が少ないことから、ジェンナーは種痘を発見した。

麻疹もウシの病気。
最近ではBSEもウシの病気。

このコーカソイドアメリカ大陸に渡って、天然痘や麻疹をインディアンに移した。
ある将軍は天然痘に汚染された毛布をインディアンに配布して流行らせたという。
その結果、北米のインディアンは次々と死んでいき、コーカソイドはインディアンとの戦争なしにインディアンを抹殺し、開拓を行った。
南米でも同様で、ピサロはアステカ軍に負けていたが、天然痘のおかげで勝つことが出来た。
南米のインディオは、南米の神よりスペインの神の方が偉いと考え、キリスト教に改宗する。

これは、外来種問題の核心を突く講演でした。

そして、現在。
南米で安価なウシを作るために熱帯降雨林が消えている。
日本人が一年間に食べるMハンバーガーだけで毎年大分県ほどの熱帯降雨林が消滅している。
それがもたらす将来は・・・・

最後に、
「件」(くだん)

件は人とウシのあいのこで、生まれて数時間しか生きない。
その間に未来を予言し、それは必ず当たるのだという。

ウシと人でここまで広がりを持ったお話ができる。
素晴らしい。