超マニアック! ハオリムシ!

RANA_sp2009-01-24

ハオリムシ、英名チューブワームってご存じでしょうか。
この変哲もない名前の動物、実は20世紀最大の発見の一つなのです。
この生き物、管の中に住んでいて、消化管がありません。
ではどうやって生きているかというと、深海艇の底から湧き出す温泉(熱水鉱床)に含まれる硫化水素からエネルギーを作り出す古代のバクテリアを体内に共生させてエネルギーを得ているのです。
この硫化水素に依存している生物として、他に目のないカニやエビも同じくバクテリアと共生しています。
硫化水素に依存する生物たちがいるという発見は20世紀最大の発見だったかもしれません。
チューブワーム自体は、いったい何の仲間か、20世紀後半に発見されたにもかかわらず、長い間分からなかった謎の生物でもあります。最近の遺伝子の研究ではゴカイの仲間に近いそうです。

それらの生物の住んでいる場所は、世界中どこでも深さ数千メートルの深海底。
生きた姿を拝むことなど無いと思っていましたが、10年くらい前に鹿児島湾の海底の温泉に新種のチューブワームが見つかったという記事を見かけました。
深さはなんと100m。最新式の循環型潜水器具を使えば行けない深さではありません。是非見てみたいとは思いましたが、そんなお金のかかることも出来ず、機会を逸してました。

それがなんと!
新江ノ島水族館で飼っているというではないですか。

で、行ってみました。
感動です。
すばらしい。
今日は満足しました。

ちなみに、これらの生物は、水温は温泉の熱源に頼り、餌も温泉の硫化水素に頼っているので、太陽の光や、地上の温度に影響されません。
つまり、全面核戦争で核の冬で地球が暗黒に包まれて凍結しようが、温暖化で地表の生命が死に絶え、珊瑚礁も死に絶えても、全然平気で生き残るのです。
1億年後、地球の支配者になっているかもしれませんね。

超マニアックな話でした。