不都合な蝶

RANA_sp2007-08-13

昨日は茨城/福島県境の八溝山に行ったのだが、ここで見た蝶に、ツマグロヒョウモンがいた。
ツマグロヒョウモンは私が子供の頃は三浦半島迄行かないと見られなかった。私はこの蝶を紀伊半島の南端で初めて採集した。その蝶が、いまや茨城県最高峰の山頂にいる。まさに不都合な真実の証明だ。
 ツマグロヒョウモンの他に、この50年で関東に分布を広げた蝶は、クロコノマチョウ(昔は静岡までしかいなかった)、ムラサキツバメ(紀伊半島迄しかいなかった)、ナガサキアゲハ(四国迄しかいなかった)と一種だけではない。
 私が九州の熊本に赴任した25年前は、35度以上の日が1週間も続くので驚いたものだ。そのころ関東で35度になるのは熊谷と八王子くらいで、年1〜2回しか無かった。IPCCの報告に寄ると2050年には関東は熊本並の気温になると予測されている。
 しかし、2050年を待つことはない。今、すでにそうなっている。
 これが末世だ、見るがいい(「百億の昼と千億の夜」より)。