沖縄の写真

RANA_sp2006-10-27

久しぶりにアサヒカメラを買う。
東松照明の「なんくるないさぁin沖縄」が見たかった。
東松照明といえば、私が若かった頃「太陽の鉛筆」をアサヒカメラに連載していた。そのハイキーな写真は当時、凄く影響を受け、露出オーバー(決してハイキーではない)の写真を量産してしまったものだった。強い南国の光で色彩が飛んだ感じ。車でさっと移動する中年と違って、延々と歩いて沖縄を徘徊していたまだ若かった私にはその色彩感がたまらなかった。
 その、沖縄や南国独特の色彩感はさらに煮詰まった感じがある。もはやハイキーではなく、ねっとりとした空気感すら感じられる。対談を読むと、最近は那覇に半分暮らしているようだ。
 対談で驚かされるのが、沖縄の基地と人にずっとこだわっているということ。凄い硬派である。沖縄には光の裏に陰がある。今でも南部の洞窟には、火炎放射器で焼かれた人の油がべっとりと床を覆う場所があると聞く。そういう不気味なガマ(隆起サンゴの石灰岩にある洞窟)の不気味な入り口。足下の石が頭骨に見える。その不安さが、明るい光景にもにじみ出ているようだ。
 とてもこういう写真は撮れないと思うし、まねしようとも思わないのだが、また、強く印象を受けてしまった。