爬虫類愛護法

RANA_sp2006-05-23

 6月1日から発効する改正動物愛護法では、対象を従来の特定の飼育動物から、飼育される「哺乳類、鳥類、爬虫類」全部に拡大される。犬猫を捨てるのと、縁日で買ったミドリガメを捨てるのは、同等の行為と見なされる(正確には違う。ミドリガメ外来生物法にもひっかかる)。
 両生類と爬虫類の間に線を引いたこの法律は、両生類と爬虫類を同じ単語「ハープ」で呼ぶ西洋語圏では得られない発想だと思う。飼育動物としての両生類は人気がない一方で、カメなど爬虫類への輸入業者の虐待など、恥ずかしいばかりの状態ではやむを得ないだろう。
 爬虫類を生理的に嫌う人の気持ちは私には分からないが、そういう人がいることは良く理解している。ちなみに、ほとんど全てのサルは、(ヒトときわめて近縁種である)チンパンジーも含め、ヘビやトカゲを先天的に嫌う。動物園で生まれ育ち、ヘビを見たことのないサルも、ヘビをおそれる。遺伝子に組み込まれた古い本能なのだ。
 しかし、そのことと、我々の遠い先祖である爬虫類を大事にすることは矛盾しないと思っている。カメはあまりに古く、どちらかと言えば哺乳類を生み出した原始的な爬虫類の一員と思われている。ワニは恐竜を生み出したご先祖様だし、鳥は恐竜の子孫と言うより、恐竜そのものだ。ヘビ・トカゲは地上でもっとも栄えている脊椎動物の一族であると同時に、オオトカゲなどは恐竜時代に栄えた海生巨大爬虫類の生き残りだ。ヘビはそのオオトカゲの子孫である。皆、歴史ある由諸正しい種族なのだ。ツイデに言うと、哺乳類は恐竜以前に一度栄え、恐竜時代に全てを失い、恐竜滅亡後に再び栄えた波瀾万丈の種族である。こうしたことは、両棲爬虫類好きは皆知っている。でも、一般には両棲爬虫類は哺乳類・鳥類より一段低く、蔑視されている。新しい動物愛護法は、この点に風穴を開けるだろうか?