ウラゴマダラシジミ(3)

樹上性のシジミチョウ、ゼフィルスは森林国の日本を代表するチョウのなかま。
ヨーロッパには3種、アメリカには2種しかいないのに、日本には25種もいます。
その大部分が、ブナ科(ナラ、カシ、ブナ)を食べて育つのですが、少し例外もいます。
その例外の一つが、このウラゴマダラシジミライラックの仲間、イボタを食べて育ちます。ちなみに、ライラックは台木にイボタを使っています。

で、私は、ウラゴマダラが大好きです。
普通のゼフィルスは表面が金緑色で、尾状突起があり、羽の形が四角っぽいのですが、ウラゴマダラはこの通り、普通のシジミチョウを大きくしたような翅型。
なぜ、こういうのが好きかというと、良くわからないのですが、「原始的」というイメージに弱いのかも知れません。
ゼフのご先祖様は、きっとウラゴマダラのようだったのだろうなあ、と思うと、なかなかです。
写真の3枚目は、ウラゴマダラを赤くしたようなチョウセンアカシジミ。このほか、ウラキンシジミも似たような形です。しかも、全員、ブナ科以外を食べています。

ところで、蝶の写真を撮っている人の中には、昔、蝶コレクターだった人(実は私もそうだ)もいて、羽が完全、新鮮でなければ撮す意義がない、という意見の人がいます。
人それぞれなので、そういう人はそういう写真を求めればいいのかと思いますが、私は羽がすれていても、特に何も感じません。
つぶらな瞳を見たら、まあ、羽なんてどうでも良いじゃないですか。