女神の誘惑

RANA_sp2006-04-09

今週もまた、春の女神ギフチョウを写しに行ってきました。
今日は渋滞もなく、前回より2時間も早く登山口に8時に着いてしまいました。まだ、蝶が飛ぶ時間ではありません。そのうえ、前回は二日酔いでへろへろだったけど、今回は年と体重分はよれているものの、前回の半分の1時間で山頂につき午前9時から撮影開始となりました。山頂付近はすでに数名のカメラマンが待機していて、2〜3頭の成虫が来るのを待っていました。ギフチョウはだいたいいつも同じ場所にとまります。そこを広く開けて周囲で取り囲むように待つ人たち。蝶がとまると、みなまず遠くから写しはじめ、「近づきますよ、いいですか」とかいいながらだんだん近づいていきます。そして蝶が逃げると、「あああー」とかいいながらまた待機場所に引っ込みます。ここの蝶は人慣れしていて、脅かさなければかなり近づけます(もち、ma7スペシャルも炸裂しました)。まるでモデル撮影会のようでした(写真)。
 さて、そのうち、あまり蝶に慣れてない人や普通の登山客が増えてきました。そうなると、蝶のとまる場所をちゃんと開けない人、つい飛ぶ蝶を追ってしまう人、携帯で蝶に覆い被さるように写そうとする人が増えてきます。そうなると、さしもの女神も機嫌を悪くしてだんだんと写しづらくなりました。そこで、約1時間で山頂での撮影を終え、下りました。
 下り道にも女神は登場します。現れては消え、とまっては飛び立ち、まさに誘うかのごとく時々姿を見せます。行きには見つけ損なった良い位置に咲いているシュンランやマムシグサも見つけ、なかなか好調でした。そのうち、暗いヒノキ林の木漏れ日を飛ぶギフチョウを見つけ、ああ、夢のように綺麗だな、と思った瞬間、はっと気が付きました。行きにはヒノキ林など通っていない!
よく考えると、行きの道は山腹をまくコースでした。それがずっと尾根道を歩いている。そうするとこの下に山腹を巻くコースがあるのかな。見ると、そちらに行くように見える下りの別れ道があります。とりあえずそれを降りました。しかし、途中で不安になりました。もし、ルートを間違えていたら?
 で、山登りの鉄則、間違えたら絶対に下らない、に忠実に来た道をまた登り始めました。こういうときは早足になるし、息が切れます。途中で監視員の人がいました。聞いてみるとやはり途中で枝尾根に入ってしまったようです。「そこから向こうの尾根までトラバースする小道があるから・・」
やはり、ルートが確定すると安心です。地図にも道のない山では慎重に行動する必要があります。そのトラバースする小道には昔の炭焼きの跡などがあり、スミレが咲き乱れていました。よし、E330の登場だ、と思い、50-200mmをつけたE-1を小道に置いて写そうとしたとき・・・・
背後から、バリバリバリという音。振り返ると、なんと、、、、

斜面を転がり落ちていくE-1の姿!

しかし、この斜面、あわてて飛び込んだらこちらも転がり落ちるかも!
落ちていくE-1が木か何かに当たって停まらないかと目で追っていく。一瞬、木に当たってレンズとボディがはずれるシーンを想像したが、、、。
運良く、カメラは奇跡的に落ち葉のたまりにレンズからつっこむ形で停まりました。足下を慎重に斜面を下る。もう一度転がりだしたらもう止めるものはなさそうです。そっと手を伸ばしてストラップをつかんで取り上げました。そして慎重に斜面を登って小道に戻りました。
 見たところ、特に大丈夫そうです。スイッチを入れます。反応しない。電池を抜き、また入れて再度スイッチを入れました。一瞬間をおいて(置いたような気がしました)赤いダイオードがちかちか点滅しました。ファインダーを覗き、シャッターを半押しすると、ウィンと音をたててレンズが合焦しました。ー よかった。 いや、安心するのはまだ早い。再生ボタンを押します。画面が表示されました。縮小にして何枚も表示させます。バックしていって、、、よし、全部残っています。

あああああ、、、、よかったあああああああ、、、、

(実話です)